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『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』とあの名作映画の関係 [ガンプラ]

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昨年劇場公開された安彦良和監督の『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』がアマゾンのプライムビデオで無料視聴できるようになっていたので昨年末にゆっくり鑑賞することができました。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/10/01
  • メディア: Prime Video
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (Blu-ray通常版)

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (Blu-ray通常版)

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコフィルムワークス
  • 発売日: 2022/11/25
  • メディア: Blu-ray







昨年、シネコンにトップガン・マーヴェリックを観に行った際に上映スケジュールの都合が合えばこちらの作品も大きなスクリーンで観たいなぁと思っていたのですが時間の都合が合わず断念した経緯があります。

これほど早く配信でしかも(会員特典で)無料で観ることができるとは思っていませんでした。

この作品はTV版ガンダム(宇宙世紀)の第1作である”一年戦争”を舞台にしたいわゆる”ファーストガンダム”の放送話の中の1つのエピソードを当時、キャラクターデザインを担当されていた安彦良和監督が自身の描いたコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の設定に寄せて劇場版作品として制作したものです。(したがってTV版とは設定が異なっている部分もあります)

TV版では1話30分で完結したエピソードが再設定・再構成され実に見ごたえのある作品に生まれ変わっています。

ネタバレになるので作品内容については詳細は割愛させていただきますが宇宙世紀のガンダム作品に興味があってまだ本作を御覧になっていないAmazonプライム会員の方にはぜひお薦めしたいと思います。

さてネタバレにならない程度で少し私が気になったシーンをご紹介します。

ジオン軍のオデッサ基地司令のマ・クベ将軍(骨董品愛好家でお馴染み)と地球連邦軍のゴップ元帥が対峙するシーン中、ある有名な映画になぞらえた二人のやり取りがありました。

ジオン軍の地球上での最大の軍事拠点であるオデッサ基地に連邦軍の大反抗が目前に迫っている状況でマ・クベ将軍がゴップ元帥の指揮する大艦隊いよるジブラルタル攻略を中止しない場合、ワシントン、ニューヨーク、ロンドン、パリなどの都市を核攻撃すると脅迫します(これは南極条約違反になります)
キャプチャ05.jpg
ここでゴップ元帥が「パリは燃えているか?ですかな・・」とマ・クベ将軍に問いかけます。
そう、ここで有名な映画「パリは燃えているか」が登場します。

「パリは燃えているか」は1966年の米仏合作の白黒映画で第二次大戦のパリ解放を描いた作品。
パリを占領していたドイツ軍に対してノルマンディ上陸後勢いづき前進を続けていた連合軍。

当時すでにドイツの敗戦の色が出始めていてパリを奪還されるのも時間の問題と考えたヒトラーがフランス駐留軍指令に”パリから撤退する際にはパリを焼き尽くせ!”と厳命を下したというエピソード(実話)を基に作られた映画が「パリは燃えているか」になります。

ガンダムの宇宙世紀(U.C)は西暦から続く世界という設定なので地球上で起きた第二次世界大戦もヒトラーの存在もそして戦後に作られたこの映画作品もすべて史実としてガンダムの世界観の中に反映されています。

このゴップ元帥の言葉に対しマ・クベ将軍も映画のことは承知のようです。

キャプチャ.jpg
ゴップ元帥が「しかし、パリは焼かれなかったのですぞ」と続けるとマ・クベ将軍は「ヒトラーの配下のような裏切り者は私の配下に一人もいない」「私としてもこれ以上の文明の破壊は望まない」と強く前述の要求を飲むように促します。

実は私は映画「パリは燃えているか」の大まかな内容は知っていたものの映画自体は見たことがないなぁ~と思いアニメの中のこの二人のやり取りに触発されて”そういえばBlu-RayレコーダーにTVの名作劇場でこの作品を録画したままにしていた”ことを思い出しました。

『ククルス・ドアンの島』の最終盤でもマ・クべ将軍が「パリは燃えているか?」とつぶやくシーンがありましたのでやはり映画「パリは燃えているか」を観ないことには・・とお正月休みに録画リストの中から同映画を再生鑑賞しました。

吹替シネマ2021 パリは燃えているか-HDリマスター版- [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: Blu-ray


「パリは燃えているか」は上映(放映)時間が約3時間という長編で昔の映画によくある途中で”インターミッション(途中休息)”あるほどです。
お正月休みでないとなかなか通しで観ることができない大作でした。

[映画]映画『パリは燃えているか』の詳細(こちら

こちらの作品は出演俳優も豪華メンバーで若きアラン・ドロンも出ています。
個人的には自分が若いころに大ヒットした英会話教材イングリッシュ・アドベンチャーのナレーションをしていたオーソン・ウエルズの演技を観られたのは収穫です。

こちらの映画はネタバレの心配が要らないくらい名作として名高いので・・・
タイトルの「パリは燃えているか」と質したのはパリの破壊命令に背き実際には連合軍側にパリを燃やすことなく降伏したドイツ軍将軍が投降した後に彼の部屋の電話から聴こえてくるヒトラーの言葉なのでした。
美しいパリの街を無意味に破壊などできないとヒトラーの命に背いたドイツ軍将軍によって美の都・パリは今もなおその姿をとどめています。

映画『ククルス・ドアンの島』ではマ・クベ将軍は『パリは燃えているか」の中のヒトラーの立場なのです。
makube.jpg
クライマックスでは彼の思惑が外れ作戦は失敗し戦況が敗戦濃厚となった際に部下に「パリは燃えているか?燃えていないのだな?」と一言溢し「私の部下にも文化を愛する者がいたということだな」と自嘲しながら部屋を出ていくシーンが描かれていました。(ちょっとネタバレ)

ガンダムの作品中、マ・クベはちょっと異色の軍人で文化をこの上なく愛し、地球上の占領地から収集した美術品のコレクターという描かれ方もされていますのでどこかヒトラーに通じるところもあるのかもしれません。
ただ、最後までパリの破壊に執着したヒトラーよりも地球の文化を愛していたのかもしれません。


いかにも安彦さんらしいなぁ~と思わせるマ・クベのセリフで私の好きなポイントでもあります。
安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編

安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編

  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2023/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

名作『パリは燃えているか』は西暦(20世紀)と宇宙世紀(U.C0079)を結んだ映画でした。

ガンダムの作品世界ではこの後、連邦軍によりジオン軍勢力が地球上から掃討され舞台は再び宇宙に戻って双方熾烈を尽くす最終決戦を迎えることになります。


HG 1/144 RX-78-02 ガンダム(ククルス・ドアンの島版)

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  • 出版社/メーカー: BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)
  • メディア:
HG 1/144 ドアン専用ザク 

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