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十和田観光電鉄幻の100周年・七百鉄道記念館一般公開(2022)後編 [鉄道&Nゲージ]

こん〇〇は!いつもご訪問いただきありがとうございます。
前回の続きで今回も2022年9月4日に開催された十和田観光電鉄旧七百駅に隣接する七百鉄道記念館での一般公開の後編です。
今回は保存車両のご紹介です・・といっても私はそこまでDeep な鉄道ファンでは二ので悪しからず(いただいたパンフレットなどを参考にいろいろ知ったかぶりしてます)

改札(入口)を抜けると2両の電気機関車がお出迎えです[るんるん]
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ED301電気機関車 昭和26年 日立製
とうてつオリジナル電気機関車で電化と国鉄に合わせた改軌の際に蒸気機関車の後継として導入されました。
地方私鉄でよく見かける凸型の電気機関車です。
このカラーリングがとうてつのコーポレートカラーで現在もバスがこのカラーリングで走っています。
バスコレクション 国際興業グループ BU04セット ばらし 十和田観光電鉄 K020







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ED402電気機関車 昭和37年 川崎車両製
活発な貨物需要にこたえるべくとうてつが追加導入したオリジナル電機機関車です。
記念館のパンフレットによるとほとんど凸型電気機関車を製造したことのなかった川崎車両性というのが珍しいみたいです。
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ED402というと別に岳南鉄道のものが有名のようですが同一車両ではなくこちらはとうてつが発注して作らせたオリジナルです。

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ずらりと並んだ駅名表示板。

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七百という地名は昔ここで粟(あわ)が1反で700島(しま)も獲れたという伝説(昔話)に由来するようです。
島(しま)は粟の収穫単位だそうで1反で通常は60~70島ほどの収穫なのだそうでこの700島というのは驚異的、実は山の神(女神)が粟畑のおじいさんの収穫作業の手伝いをしていたそうでこれを見たおばあさんが嫉妬、それに対して怒った山の神が収穫した粟を近くの沢に投げ込んでしまったという結末があるそうです。
またアイヌ語で「山の砦」を意味する「シツ チャシ」とする説もあり。

隣駅の「ふるさと」もまた長閑な駅名ですね

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十和田観光電鉄では改軌により国鉄三沢駅での乗り入れが可能となり貨物輸送も大きな収入源となりました。
記念館には2台の無蓋貨車(トラ301・302)が保存されています。
この無蓋貨車は国鉄線内に乗り入れ可能な基準を満たす貨車だったそうです。
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電車検修庫には2両の電車が保存されています。
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架線はすでに撤去されていますのでモーターカー等がない現状では車両を屋外に引き出す事も叶いません。

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こちらはこのカラーリングでお分かりだと思いますが平成元年に東急から購入した車両です。
平成14年にこの東急リバイバルカラーに塗装変更が行われそのまま廃線を迎えました。
かなり古い車両で戦前の昭和17年にクハ3655(制御車・Mなし)として川崎車両が製造。
戦後、昭和27年にモーター車として改造されデハ3655となり十和田観光電鉄に入線の際に両運転台化されモハ3803となったそうです。
東急時代はほぼ池上線での運用だったそうでもしかしたら私も営業マン時代に乗ったことがあったかもしれません。
十和田観光電鉄は平成8年に東急からステンレス車両を8両購入(7700系、7200系)して運行。
廃線時に解体を免れた7200系は大井川鉄道に移譲されています。

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モハ3603の車体は塗装修復中で3年前も同様な状況でした。
コロナ禍で一般公開が中止されていましたが塗装修復作業はあまり進捗していない様子です。
赤く錆のようにみえるのは十和田観光電鉄のオリジナルカラーの朱色が表面に出てきているそうです。
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前回も購入しましたが今回もこの”モハ3603のカケラ”を買いました。
実際の塗装の剥離片です。
1枚100円ほどなので寄付のつもりで・・

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もう1両の保存車両は十和田観光電鉄のオリジナル車両”モハ3401”です。
昭和30年 帝国車両製で入線時から当時まだ珍しかった全金属製車両で社運を賭けた豪華車両だったそうです。
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モハ3401も傷みが酷くなってきていて屋内保存とはいえ心配です。

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モハ3401もモハ3603も車内に入ることができます。
こちらがモハ3401の車内です。
”観光”電鉄と社名にありますが十和田湖へ直通しているわけではないし、また全線でも30分前後の所要時間ということでロングベンチシートです。


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三沢方から電車検修庫を・・・
線路は検修庫の外にもわずかですが続いているのでモーターカーなどがあればこうした一般公開日にちょっとだけ屋外に引き出す事もできるのかもしれません。
画面左の小さい男の子は古い電車よりも線路跡での虫取りに夢中でした。


実際に駅で使われていた発車合図器も自由に操作できたので私も挑戦。



「駆け込み乗車はおやめください[るんるん]

1時間ほど楽しく過ごして七百レールファンクラブの会長さんと東奥日報社の記者さんと雑談をして会場を後にしました。
一応、名前と年齢を記者さんに聞かれたので新聞に載るかも?
ちゃんとしたこと話していたっけ?

七百レールファンクラブのFBによるとこの日の来場者数は213名だったそうです。
完全にオープンな形式での鉄道ファン向けのイベントとしてはかなり小規模なイベントですが他と違いファン同士の殺伐とした雰囲気もなく終始和やかな手作りイベントでした。

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KINYAN

十和田観光電鉄の歴史と寂しさを感じました
by KINYAN (2022-09-09 06:53) 

(。・_・。)2k

貨物車もカッコイイですね
こう言う形のは生で見た事ないかも

by (。・_・。)2k (2022-09-09 10:49) 

mayu

保存にもお金がかかりそうで、厳しいですね。
by mayu (2022-09-09 10:49) 

たくや

懐かしい形の電車ですね~
by たくや (2022-09-09 10:57) 

まさ

「ふるさと」という駅名、ジオラマとかに使いたくなるような駅名でいいですね。
塗装の剥離片まで売っているとは驚きました(笑)
by まさ (2022-09-09 12:29) 

an-kazu

ディープで興味深い見学会ですね!


by an-kazu (2022-09-09 12:31) 

kousaku

大井川鉄道に引き継がれているんですね、そう云えばこんな列車が走っていますね。
by kousaku (2022-09-09 13:23) 

青い森のヨッチン

KINYANさん
前後のレールはもう撤去されているのでここだけ当時の雰囲気が残っています。
いつでも乗れるからといって乗らずに廃線になってしまったのが本当に悔やまれます。
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:41) 

青い森のヨッチン

2kさん
とうてつ線内の貨物輸送車両は国鉄(JR貨物)のものばかりで自社所有の貨物って少なかったようです。
農業地域なので農薬や肥料の貨物輸送が晩年まで続いていたようです。
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:43) 

青い森のヨッチン

mayuさん
鉄道路線も地元自治体が資金援助をしなかったので決定になったのでこの保存施設にも公的資金はほとんど使われていないようです(施設の固定資産税とかは減免になっていると思うけど)
活動資金の枯渇が当面の不安材料でしょうか?
あとスタッフさんの数も足りていないようでした。
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:46) 

青い森のヨッチン

たくやさん
昔の地方電鉄ってこんな形の顔の車両が多かったですよね最近は大手私鉄からの譲渡車両が増えて背景を映っていないと都会か?と思っちゃいます。
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:48) 

青い森のヨッチン

まささん
確かに「ふるさと」って鉄道模型の駅にありそうですね
塗装の剥離片を売るアイデアはなかなかだと思いました。
樹脂化工とかして栞でもいいかなぁ
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:50) 

青い森のヨッチン

an-kazuさん
電車2両は運転席にも座れるんですよ
by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:51) 

青い森のヨッチン

kousakuさん
東急電鉄の車両って本当に寿命が長いですよね

by 青い森のヨッチン (2022-09-09 17:52) 

八犬伝

これは凄いですね。
歴史ある電車、塗装が剥げてしまっているのが
とても可哀そうですね。
by 八犬伝 (2022-09-09 20:37) 

ずん♪

いつもブログにコメントを有難うございます。
by ずん♪ (2022-09-09 21:26) 

tarou

こんばんは、大楠山にコメントを
有難うございました。
今回は、螺旋階段の展望台にには登りませんでした、
以前登った時のリンク張ってあります。
七百鉄道記念館、入館者が増えてマニアに愛される
記念館になると良いですね。

by tarou (2022-09-09 21:38) 

エンジェル

7百鉄道ファンクラブが保存をされているのですか?
資金はどうされているのでしょう?
クラウドファンディングで全国の鉄道ファンから寄付を募るのも良いかもしれませんね。
by エンジェル (2022-09-10 14:54) 

hide-m

七百の昔話は、いいですね。地名には必ず由来があるようです。先日、ヘルパーの仕事で、大宮の鉄道博物館へしばらくぶりに行きました。急行の列車に乗って、駅弁を食べている方が結構いました。
by hide-m (2022-09-11 07:12) 

ぼんぼちぼちぼち

塗装の剥げたカケラを売ってるなんて、面白いアイデアでやすね!
鉄ちゃんの心、鷲掴み!っていうとこでやしょうか?
by ぼんぼちぼちぼち (2022-09-11 09:51) 

青い森のヨッチン

八犬伝さん
塗装作業は前回の一般公開時にも修復作業中とあったのですが3年経過しても作業の進捗はあまり目に見えるほど進んでいないようでした。
人員と資金がれば本格的に作業に取り掛かれそうなのですが・・・
by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:01) 

青い森のヨッチン

ずんさん
いつも精力的にキット製作されていて本当に頭が下がります。
by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:02) 

青い森のヨッチン

tarouさん
過去には年2回の一般公開されていた時期もありましたがコロナ禍で年1回の公開になっているようでした。
運営主体のマンパワーも不足しているようでこんな素晴らしい施設が年1日しか見学できないというのはもったいないです。

by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:05) 

青い森のヨッチン

エンジェルさん
運営主体は近隣住民のボランティア団体であるファンクラブさんです。
自治体からの積極的な援助が受けられいないようで皆さん手弁当で運営されているようですが先行きが不安ですね
個人的には自治体にもっとかかわって欲しいと思いますが難しそうですね
by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:08) 

青い森のヨッチン

hide-mさん
大宮の鉄道博物館は私が東京を離れてからできた施設なのでまだ見学したことがないのです。
子供のころは神田にあった交通博物館に何度も連れて行ってもらいました。
by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:10) 

青い森のヨッチン

ぼんぼちさん
本当にこれはナイスアイデア商品だと思います。
薄いものなので郵送で通販できそうですがそこまでのマンパワーがなさそうです。
by 青い森のヨッチン (2022-09-12 09:13) 

芝浦鉄親父

十和田観光電鉄線が廃線となる前年、2011年11月5日の七百車両基地の公開イベントに参加しました。
電気機関車のED301、ED402、十和田観光電鉄自社発注のモハ3401、クハ4406、元東急のモハ3603、7200系、7700系の写真を思う存分に撮ることが出来ました。
とてもいいイベントでした。そして、この鉄道が無くなってしまうことが寂しく、悲しかったです。。。
by 芝浦鉄親父 (2022-09-13 21:05) 

yokomi

各車両にはそれぞれの歴史があるのですね。ちょっとした観光資源にも成るので、官民の力を合わせて保存し、賑わいを得て欲しいですね(^_^)v
by yokomi (2022-09-17 10:11) 

青い森のヨッチン

yokomiさん
とうてつの場合は廃止か地元自治体の援助かという段階で早々と地元自治体は援助を断った経緯があるので今更、補助や後援といった形はとりにくく感じているのかもしれません。
by 青い森のヨッチン (2022-09-19 14:20) 

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