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青森空港でのRNP ARアプローチ [FSX(SteamEdition)]

こん〇〇は!いつもご訪問いただきありがとうございます。
先日地元紙の夕刊に大きく取り上げられていた青森空港での新着陸方式の記事です。

ILS.JPG

お盆期間中なので記事にするようなニュースには事欠かないようにも思えますがなんで今ころ飛行機ネタ?っと思っていたら「あぁ帰省で青森空港を利用する人向けかぁ」と納得しました。


地元紙・東奥日報に記事によると昨年から青森空港への着陸時にこれまでのILS(計器着陸)方式に加えてRNP ARアプローチという新しい着陸の仕方が採用されているという話です。

う~ん、結構専門的な話です。

大空を飛ぶ飛行機も実は厳格なルールと飛行ルートが決められていて決して自由に飛べるわけではありません。
当然、一番重要な着陸についても厳しく決められたいくつかの着陸方式(着陸の仕方)が存在します。
これまでのILSアプローチという方式は視界が効かない状況でも空港の滑走路にある施設から理想的な着陸コースの範囲に電波を飛ばして適正な侵入高度と滑走路からの左右のずれを飛行機側で受信して自動操縦で降りてくるという事情を全く知らない人にとっては夢のようなシステムです。
滑走路から着陸態勢に入った航空機に見えない電波の適正コースを投影しているようなものです。
これが一般的に民間航空機の世界で採用されている着陸方式です。
私が遊んでいるPCのフライトシュミレーターソフト(FSX)でもこのILSアプローチを使って濃霧で滑走路が視認できない気象条件の設定でも滑走路直前まで自動操縦で着陸できます。
濃い霧が晴れたとたん目の前に滑走路が!なんてこともあります。
かなり安全で安定した着陸ができるのですが地上側にILSのための電波送信設備を作らないといけないのでローカル空港では採用していない空港もあります。(ILSの受信については現在ほとんどの民間航空機で対応可能)


しかしこのILSアプローチは滑走路に対してかなり距離のある直線ルートが必要です。
青森空港の場合、RWY24(ランウエイ24)という海(陸奥湾)側から南西方向(240度)に向かって着陸する場合、東京、大阪方面から来た飛行機はいったん空港を通り過ぎ青森市街上空を通過して陸奥湾上で旋回したうえで陸地に戻りILSの電波をキャッチできる直線ルートに入りますので結構距離と時間をロスしてしまいます。
距離にして70Km、時間にして5分ほどのILSアプローチに要します。
70Kmといえば自宅から青森市内までの片道距離に相当します。
クルマで1時間半ほどかかる距離を減速した航空機では5分しかかからないのですがこの5分が航空業界では大きいとのことです。

青森市民の方は頭上を越え陸奥湾方面に低空で飛んでいく飛行機を北海道方面に向かう便と思っているかもしれませんがほとんどこのILSアプローチのための遠回りコースを飛んでいる青森空港着の便なのです。
私もこの遠回りルートの直下にある県立病院に入院中に何度もこのILSコースに乗るため陸奥湾に抜ける飛行機をみていました。(当時、私も北海道へ飛んで行ったんだなぁと思っていました)


青森空港のような山の中腹にある空港では霧の影響や冬場の吹雪による視界不良を受けやすいのでこのILSによる計器飛行による自動着陸は大いに助かるのですが天気の良い日にはこれほど用心して着陸してくる必要もないので考えられたのがGPSを利用したRNP ARアプローチです。

Required Navigation Performance - Authorization RequiredといのがRNP AR(AR:特別許可を要するRNP:性能要件)の正式名称です。

カーナビよりも全然精度が高いGPSシステムを使って地上の地形に合わせて滑走路までの最短コースで着陸できるこれまた理想的な着陸方式です。

直線方向の電波を利用するILSに比べて電波を使わないRNP ARはカーブも着陸ルートに設定できるので進行方向と逆向きの滑走路に着陸する場合でも滑走路付近でカーブ(Uターン)して最短距離で滑走路に進入できます。
カーブを曲がり切った先に滑走路が・・ってこともるのですがやはり視界の良い状況でないとこの方式は使いにくいので現状、青森空港では3割程度がこの方式で降りてくるそうです。
平面情報だけで運用できるカーナビと違い高度情報も使い立体的に位置情報を把握するのがRNP ARアプローチですがILSによる自動着陸ほどの万能性はまだないということですね。

青森空港のような八甲田の中腹にあるような空港の場合、RNP AR方式では山肌近くを飛行する場合もあってかなりスリリングな状況が体験できるようですがGPSの精度が高いので地上の地形からの距離(高度)は適正に保たれて飛行するので安全ということです。
このRNP ARアプローチは地上設備は不要なのですが対応する航空機がまだ限定されています。
今のところJALの場合対応する機材がB737-800型のみということです。
しかもこの着陸方式は国交省の厳しい条件設定をクリアしないといけません。
まだ承認されている空港が限られているようですが青森空港はどちらの条件も満たしているので天気が良い日はこのRNP AR方式の着陸が行われているらしいです。

この夏このRNP ARアプローチで青森に帰省してきた人も多いのかなぁ[わーい(嬉しい顔)]
ジャルックス 1/200 737-800 JAPAN AIRLINES JA308J 完成品

ジャルックス 1/200 737-800 JAPAN AIRLINES JA308J 完成品

  • 出版社/メーカー: ジャルックス
  • メディア: おもちゃ&ホビー

残念ながら私のシュミレーションソフト(FSX)ではこのRNP ARアプローチは採用されていませんがGPS航行システムは搭載されているので実際のアプローチルートを設定すれば再現できるのかなぁ~

長々と書いてしまいましたが新聞記事にも搭乗しているJALの今泉副操縦士による解説サイトもご覧ください(こちら
今泉さん青森らしい苗字だなぁと思っていたらやはりお母さまが県出身でした。

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コメント 6

ma2ma2

青森空港のILSはカテゴリーⅢaなのでかなり精度が高いのでこう言う運用も可能ですね!
by ma2ma2 (2018-08-16 17:07) 

ぽちの輔

大回りしなければ環境負荷も少なくて良いんじゃないですかね^^
by ぽちの輔 (2018-08-17 06:34) 

青い森のヨッチン

ma2ma2さん
せっかく高カテゴリーのILSにしたとたんにJALが使用機材を縮小してILSが使えなくなったと以前記事が出ていましたが今はB737-800が復活しているようです。
青森空港は降雪期の欠航率が少ないのはこのILSと除雪隊(ホワイトインパルス)のおかげです。
by 青い森のヨッチン (2018-08-17 08:44) 

青い森のヨッチン

ぽちの輔さん
飛行時間の短縮で燃料が節約できてエコなんだそうです。
離発着数が少ないローカル空港向けのアプローチですがILSとVNAVとRNP_APとか混合で着陸されると管制が混乱しそうです。
by 青い森のヨッチン (2018-08-17 08:47) 

ロートレー

RNP ARアプローチは航空機側がそのための設備を備えていなければならないと言うことですね
by ロートレー (2018-08-17 22:42) 

青い森のヨッチン

ロートレーさん
その通りです。
JALの場合、まだB737-800のみ承認されているようです。
ILSのように着陸まで自動操縦にはならないようですね。
空港側に設備は不要ですが許可されている空港はまだ少ないようです。
by 青い森のヨッチン (2018-08-17 23:10) 

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