お盆休みの週の最終日の今日の日曜日は荒天で2日順延となっていた灯篭流しが行われました。
お盆の行事もこの灯篭流しで終了です。
今年はご先祖様は2日ほど現世に延泊してお山にお帰りになりました。
こちらで”お山”というと恐山のことを指します。
お盆の灯篭はこちらでは川に流すのではなく海に流して北の対岸にある恐山方面に流れていくようにします。



お寺の境内から御詠歌の調べともに各人胸に蝋燭の灯りをつけた灯篭を抱いて漁港まで行進。
おばあさんたちが歌う御詠歌がお盆の最後の寂しさを一層惹きたてます。
灯篭は漁船に積まれて沖を目指します。
お盆に戻ってくるご先祖の霊を灯篭に乗せてあの世へと再び送り返す行事は”精霊流し”と呼ぶ地域もあります。
中学生時代、さだまさしファンの友人と”灯篭流し”か”精霊流し”かで口論になりましたが地域性の問題でした。



お寺の和尚さんも乗船して灯篭を積んだ漁船は沖に向かいます。
今夜は風も波もなく穏やでまさに灯篭流し日和でした。
船の姿が見えなくなるまで岸壁では御詠歌が響いていました。



沖に少し出たところで漁船から蝋燭に灯がつけられた灯篭が海面に降ろされ列をなして流れていきます。
まだ西の方にうっすらと夕陽が残っている海の闇に少しづつ増えていく灯篭の灯りが何とも幻想的です。
町の人も皆海岸に座って故人を偲びこの光景を眺めていました。
海に流した灯篭の向かう先はこの陸奥湾の対岸・大湊方面。
大湊の町の背後にそびえる釜臥山の北面には有名な霊場・恐山があります。

今夜はみんな”お山”へ無事帰れたかなぁ~