例年は仕事の都合で紅葉の見ごろを終えての訪問となっていた奥薬研渓谷に行ってきました。

今年は紅葉も見ごろというかまだピーク前という印象です。
奥薬研は下北半島の中央部近く大畑川の上流にあります。

ここは少し下流の薬研地区とともに#59127;温泉地としても有名でここ奥薬研にはちょっと前まで無料の混浴露天風呂がありました。
かっぱの湯と名付けられたこの露天風呂は付近にかかる橋からもバッチリと露天風呂が眺められるという奇跡のロケーションが災いして近年、塀が新設され混浴も時間帯別の男女別入れ替え制となってしまいました。
箸から露天風呂が見えるというのは県民や住民にとってはそれほど問題視していなかったようで何十年も放置されていましたが観光客から県への問い合わせで県も対策に乗り出したようです。
ただし現在でも入浴は無料。
どうも県によって条例が定められているところもあって混浴制限(年齢制限)があるようです。

公衆浴場も女児が父親と男湯(男児が母親と女湯)に入れる年齢の制限がある地域もあるようです。
青森はここら辺の規制って緩いはず。



薬研から奥薬研に向かう途中には平日にもかかわらず結構車が停まっていました。
紅葉狩りには程よい天候でほとんどの人がカメラと三脚を持参でベストな撮影ポイントを求めて車道を彷徨っています。
私はどちらかというと温泉に浸かりに来たので急いで奥薬研にある#59127;夫婦かっぱの湯へ。
夫婦かっぱの湯は元祖”かっぱの湯”とは違い最初から男女別の露天風呂となっていて入浴料230円が徴収されます。
私が初めて来たときはなんとこちらも無料で入浴できていました。
食堂を兼ねたレストハウスが併設されていて湯上りには食事もとることができます。

駐車場にはこれまで見たことのないくらいにクルマが停まっていたので露天風呂も混雑しているかなぁ~と覚悟をしましたがなんと私以外に誰もいませんでした。
40分ほど露天風呂の横を流れる渓流や木々の紅葉を眺めていても誰も入ってくる気配はなし。
平日の昼間といってもまさか貸し切り状態とは予想外でした。

誰も来ないので暇なので浴槽に沈んだ落ち葉を集めて掃除したりしてのんびりとした時間を過ごすことができました#59126;
皆さん紅葉狩り目当てで温泉には興味がないのかなぁ~もったいない。
散策後にひと風呂浴びてというパターンなのか・・・

入浴後に食事を済ませて渓流沿いの遊歩道を散策です。
今日は繁忙期メニューで目当ての山菜蕎麦はありませんでした(残念)

今回の散策のお供は富士フィルムのX20です。



やはり平日のこの時間帯ともなると熟年者の姿ばかりで皆さん立派な撮影機材を持ち込んでいます。
60代くらいのご婦人たちのグループも皆さんデジタル一眼と高そうな三脚で熱心に紅葉を撮影されています。
でも吊り橋の上で三脚撮影ってひと昔の機材なら考えられませんね



ところどころ真っ赤に紅葉していますがまだピーク直前といたところかなぁ~



散策コース途中の乙女橋という吊り橋の上から上流方面を眺めたところです。
以前紅葉のピーク時に来たときはこんなもんではなかった印象なのでやはり今回は少し早かったのかも。



清流の流れつく先は津軽海峡を臨む大畑という町(むつ市大畑町)です。
青森県全域ではかつて林業が盛んでここ薬研周辺の下北半島の深部から切り出した木材は森林鉄道を使って大畑まで運ばれていました。(大畑からは国鉄大畑線→大湊線→東北本線とつながっていました)

今では配線となった森林鉄道の痕跡がこの遊歩道で見ることができます。というか遊歩道自体が森林鉄道の廃線跡。



このように遊歩道には現在でも森林鉄道の線路が残っている部分もあります。

この線路跡を下流に少し行くと・・・


このような案内板が・・・木漏れ日で読みにくいですが・・・



案内板はこの隧道(トンネル)の説明板でした。
突如として現れたこの隧道は森林鉄道のために掘られたものでなんとすべて手掘りです。
ちょっと先が真っ暗で入るのが怖いのですが途中でカーブしているので先が見えない状況です。

長さが100Mあるというので懐中電灯かスマホのライトがないと足元がおぼつかずに危険です。
何も持たずに中間地点まで行くと本当にブラックアウト!方向感覚が怪しくなります。
私は何度もこの隧道を通ていますが今回はスマホを車内に置きっぱなしできてしまったので途中で引き返しました。
隧道の構造を知っていないとちょっとこの闇の中を進むのは勇気がいりますね



入り口近くをフラッシュで撮影。
ところどころ天井から湧き水が滴り落ちています。
隧道内はひんやりとして猛暑日なんかには最適な空間でしょうね
風の流れも感じられてなかなかいい感じです。
風呂上りには最高です。



隧道の壁面にはツルはしやノミで手掘りで掘られた跡がはっきりとわかります。

表面にコンクリートを吹き付けているんじゃないかと錯覚しますがコンクリートは一切使っていないそうです。
この森林鉄道は乗客輸送も認められていたそうで薬研・奥薬研への湯治客をたくさん運んでいたそうです。
トロッコ列車でこのトンネルを通る気分てどうだったのかなぁ?



隧道内部からの外の景色。少し外光が明るすぎたのが残念。
この隧道に来ると決まって撮影する構図です。



グーグルアースで夫婦かっぱの湯画面下の開けた部分から遠く津軽海峡(大畑町)方面を望む。
川筋にある建物はほとんどが宿泊施設でここまで山奥だと民家はほとんどないと思います。

最近までここ薬研・奥薬研地区には温泉ホテル、旅館、民宿、企業の保養施設がたくさん存在していましたが今ではかつての賑わいも無くなりちょっとした秘湯の雰囲気です。
数年前に地区最大のホテルが施設の老朽化による建て替えを断念して廃業となってしまい一段と寂れてしまった印象です。





薬研温泉 薬研荘



  • 場所: 青森県むつ市大畑町薬研14

  • 特色: 天然素材を愛情タップリの手作り料理で!山菜・キノコ料理はお任せ♪リピーターが多いのも自慢の1つです。








民宿あすなろ<青森県>



  • 場所: 青森県むつ市大畑町薬研2-10

  • 特色: かけ流し天然温泉で24時間入浴出来ます。食堂併設しておりますので素泊まりでも安心してご利用出来ます。