県立三沢航空科学館で開催されていた「レゴで作った世界遺産『PIECE OF PIACE』PART3展のレポの最終回です。
レゴといえばブロックの代名詞にもなっていますがそのレゴブロックを使って世界遺産を再現しちゃおうという展覧会です。
もはやブロックは幼児の嗜み(たしなみ)、知育玩具といった概念が吹き飛ぶ内容に驚愕です。

模型作品とは違ってブロックを使うので造形は限りなくデジタル的(直線的)なのですが集合体としての曲面の構成、繊細な表現も随所に見られ期待以上の内容でした。



シドニーいやオーストラリアを象徴する建築物といえばこのオペラハウスです。


現在のところ最も年代が新しい(1973年完成)世界遺産です。



聖ワシリイ大聖堂(ロシア)
ロシアの赤の広場に面して建つロシア正教の大聖堂。



私は有名なテトリスのゲーム画面の背景を思い出しちゃいます。



コロッセオ(イタリア)
帝政ローマ時代を代表する建造物


ブロック=四角という子供が遊ぶレゴのイメージからするとこの円形を作り上げるのは大変そうなのですが・・・
当然、市販の製品では再現できるはずもなくワンオフパーツをふんだんに使ってこその作品群です。
レゴブロックでこのような作品を作る人をレゴビルダーというそうですが日本にはデンマークのレゴ社から公式に認められたプロのレゴビルダーがお一人だけいるそうです。
レゴ社公認のプロレゴビルダーになるとレゴ社本社から直接パーツの買い付けができるそうで同じ形状、同じ色のパーツを何万個とかいう発注にも対応してもらえるそうです。

#59128;日本でただ1人、レゴ社認定プロの知られざるメリットと悩み
 (Newsweek日本版の記事)
#59128;ブロックに命宿す レゴ社認定プロレゴビルダー 三井淳平さん
 (日経新聞の記事)
「マツコの知らない世界」にも出演されたそうですが「情熱大陸」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」とかにも出て欲しいです。



三井淳平のレゴ(R)ブロックで作ろう! [DVD]



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  • 発売日: 2012/06/19

  • メディア: DVD








空間的思考法 世界が認めた、現役東京大学大学院生の頭の中!



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東大出身の三井さん、レゴで作られた作品を見たら彼の頭の中の構造を知りたくなっちゃいます。
※今回の展覧会に彼の作品があるのかは調査不足で不明。
今回の展示作品の中に認定プロプロビルダー以外の作品展示もあればそれも驚異的ですが超絶テクニックを持ったノンプロのレゴビルダーもたくさんいるようなので別に驚くことでもないのかもしれません。

展示作品のご紹介を続けます。



ウィーンのシュテファン大聖堂(オーストリア)


屋根のモザイク柄が美しいです。
ブロックとゴシック建築って相性がよさそう。



こちらはデンマークのロスキレ大聖堂

見学時に特にメモを取ることもせずにiPhoneで撮影に夢中になってモデルになっている世界遺産については後でネットで調べればいいやぁと簡単に考えていましたがこれが結構大変な作業です。

この作品はこれがロスキレ大聖堂だ!と確信できるまでにかなり時間がかかりました。
とくにこの作品は何故か一方向からだけの撮影だったので・・・


レゴブロックを使っての植栽の再現


建物脇なんかはブロックを積むのではなく敢えて乱雑に並べて盛土のような表現になっています。
こちらは何故か建物自体を入れての撮影をしていなかったのですが「シンガポール植物園」だったようです。(シンガポールで唯一の世界遺産)
建物の撮影を忘れてこの植栽表現に見とれてしまったようです。



ワット・シエントーン寺院(ラオス)・・たぶん#59143;
世界遺産「ルアン・パバンの町」の中の中心的寺院。
これもまた名前を突き止めるのに苦労した作品です。
私は全く知りませんでした#59142;


王室の菩提寺でもあった荘厳な寺院というだけあって細部の装飾も見事・・この場合、レゴビルダーへの賛辞です。



キンデルダイク=エルスハウトの風車網」というオランダの世界遺産から風車。



こちらはベトナムにある世界遺産「フエの建造物群」だそうです。


こちらも細部まで作りこまれています。
ドラえもんの道具で小人になっていろいろ歩き回ってみたいものです。



金閣寺
金閣寺というと木々に囲まれた池に浮かぶシーンが強く周囲の景観とセットでの印象ばかりでこうして建物自体をまざまざとみる機会って意外と少ないかも・・・






法隆寺の五重塔



高野山 金剛峯寺根本大塔



東京 国立西洋美術館

上野にある国立西洋美術館はフランス人建築家のル・コルビジュエによるもので世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品」の国内唯一の建築作品として登録。


そして最後はこちら・・
私の一番のお気に入りです#59116;


長崎にある軍艦島こと「端島」です。

世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成要素の一つとして登録。







廃墟として人気の高い軍艦島の今の様子をかなり忠実に再現。
日本最初のコンクリート造りの団地などの建築物の荒廃した様子をうまく表しています。

瓦礫はブロックを挿さずに放置してあったり。
箱庭的要素の強い作品ですが見る人が見れば「あぁこれが何号棟」とかまでわかるレベルの再現性にはただただ驚くばかり。
今回の三沢での展示では順路の最終エリアにあったのですが最初に目に入った瞬間からもう早く見たくてしょうがなかった作品です。


最終回は14作品のご紹介となりましたが今回のレポ全3回分併せても40か所の世界遺産にちょっと足りないので恐らく撮りわすれもありそうです。
今回の見学は当初予定していなかったので撮影機材はiPhone8のみという制限がありましたがもう少しちゃんとしたカメラで撮影したかったです。
こちらのレゴの展覧会は全国巡回いや世界ツアーもされるほどの人気だそうで皆さんのお近くでも開催されるかもしれません。