あの”悪魔のおにぎり”の考案者で南極観測隊(越冬隊)の調理担当だった渡貫淳子さんの本を町民図書館で見つけて借りて読みました。



南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる



  • 作者: 渡貫 淳子

  • 出版社/メーカー: 平凡社

  • 発売日: 2019/01/24

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)







こうした”南極”ものを読むのが大好きな自分です。


渡貫さんのことは「世界一受けたい授業」というTV番組のなかで講師として登場された放送回を偶然見て知りました。
南極観測隊員にも女性隊員がいるのは以前から知っていたので特段”女性”隊員ということには驚きはなかったのですが番組中であの伝説の”悪魔のおにぎり”を実演調理されているのを見てものすごく興味が湧きました。
レシピは食品ロスを出さないという基地での調理の中で残り物の食材を使いまわして活用するというなかで生れた料理だけあって我が家に常備している食材でも作れそうでした。
ご飯に天かすと天つゆ(めんつゆ)、あおさのりなどを混ぜておにぎりにしたものが”悪魔のおにぎり”です。
隊員の夜食用にと考案されたもので”一度食べたら止まらない美味しさ”ということで”悪魔のようなおにぎり”と隊員が名付けたそうです。

一度自分でも作ってみたいと思っていたらLAWSONで商品化されあっという間におにぎり部門の売り上げNo.1となってしました。
パッケージはちょっと恐ろしい感じです”激辛”と勘違いしている人もいるかと思いますが混ぜご飯おにぎりと思っていただければ間違いないです。
なんといっても価格が手ごろで塩結びと変わらない価格設定。
少しづつ改良が加えられて現在でも販売されているのですが最初期バージョンのものが一番美味しかったような気がします。
それでも棚に並んでいるとついつい買ってしまうほど自分の中ではもはや定番おにぎりとなりました。


渡貫さんの本の中ではこのレシピ誕生の話はさらっとしか触れられていません。
子供がいる主婦が南極観測隊の調理係になって帰国後”悪魔のおにぎり”でひと山当てる(表現が下世話ですが)というシンデレラストーリーっぽく見がちですが本書の内容は南極料理のレシピも少しは記載がありますが一人の女性南極隊員のひと冬の奮闘記で読みごたえがありました。
当時の日記をベースに書かれたそうですが読みやすい文章であっという間に読破してしまいました。
この本の中で渡貫さんが同じ青森県の八戸市出身ということも知りました。
これは凱旋講演会とかがあればぜひ聞きに行ってみたいです。




悪魔のおにぎりと南極流リメイク料理



  • 作者: 渡貫淳子

  • 出版社/メーカー: マガジンハウス

  • 発売日: 2019/02/14

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





悪魔のおにぎりについてはこちらの書籍の方が詳しく書かれているかも

昨今問題になっている食品ロスですがほぼ1年間無補給で耐え凌ぐ究極の実践現場である南極観測隊基地でのリメイク料理はこれからも注目が集まりそうですね。


▲八戸港で一般見学中の南極観測船(砕氷船)しらせ(3代目)
観測隊員は日本から乗船するわけでは無く寄港地のオーストラリアの港まで航空機の乗り継いで乗船するそうです。食材は日本から積み込む分とオーストラリアの現地で調圧したもののみで越冬観測中の食材をまかなわなければなりません(無補給)

本書の中で在庫がなくなりもう食卓に出せなくなった食材のことは隊員には伝えないという一節がありました。