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図書館から借りてきた話題の本2冊を読み終えました。
どちらも500ページほどのボリュームでかなり読みごたえがありました。
なんだかとっても久しぶりに本を読んだぞ~って気分になりました#59126;

まずは1冊目
逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』
第11回 アガサ・クリスティ賞 大賞受賞
2022年 本屋大賞受賞

とくに本屋大賞のNo1になったのはかなり売り上げに影響を与えていると思います。
またアガサ・クリスティ賞では選考員全員が満点をつてた初の作品だったそうです。

著者は私と同じ大学出身(年齢はかなり下)ということもありamazonでの取り扱い初日に欲しいものリストに登録していましたが県立図書館のオンライン貸し出しの方にも予約を入れておいていました。(お小遣い節約のため)

図書館では流石に人気のためかなりの期間待たされましたが先日、ついに順番が回ってきて地元図書館に転送されてきました。


▲書店などで平積みされていたり目立つ場所に並べられたりしているので目にされた方も多いと思います。

タイトルにもある同志とは共産圏でよくつかわれる言葉です。
北の将軍様も同志と呼ばれていますね

ということでこのお話は第2次世界大戦で最前線で戦うソ連軍(赤軍)の狙撃小隊の狙撃手になった少女たちの物語です。
まだバリバリの共産主義体制下のソ連(ロシア)はヒットラー率いるナチス・ドイツと戦っていました。
第2次世界大戦で最大の3000万人という死者数を出したのは実はこの小説の舞台となる独ソ戦でした。
戦略的撤退なんてほぼ取り得ないガチンコ勝負の両軍の闘いは殲滅戦そのものでした。

そしてドイツがソ連と激闘を繰り広げたのがウクライナの地です。
独ソ戦はドイツ軍がポーランド、ウクライナと電撃戦を展開しソ連領中枢に迫る進撃をみせ、ソ連軍がそれを押し戻すといった戦いでしたが現時点で起こっている侵攻とは立場が入れ替わっていますね。
作品中でも彼女たちが赴く戦場は今、ロシア軍がウクライナに侵攻している地域と重なります。
こんなこともあって各賞受賞という話題の他でも何かと注目されている作品です。

ヨーロッパでの戦いでは西部戦線よりも日本人にとって馴染みの薄い独ソ戦(東部戦線)をちょっぴり知る上でもたいへん勉強になりました。

実に500ページに迫るボリュームですがページをめくる指が滑らかに感じるくらいにテンポのいい展開でした。

これが著者にとって初めての長編小説というかデビュー作とは思えない、すごい新人作家が現れた!んじゃないかなぁ

amazonのレビューでは酷評と高評価と半々とったところで”史実とは違う!”といっった指摘はこの手の小説に向けるべき評価としてはどんなものなのかなぁ?と思たりもします。
日本人が書いた小説だから・・といってしまえば身もふたもなくなっちゃう

舞台背景を考えると映像化はほぼできないので小説の中でのみ楽しむ一冊です。
(NHKでラジオドラマとかなら面白そう#59126;)


#59128;以下 早川書房のサイトより(商品紹介)
※私が書くとネタバレになりやすいので・・・


第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。


独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?



読んでいくと第2次世界大戦ではソ連軍だけが女性兵士を前線にまで投入していたことを改めて認識しました。
ドイツも米英各軍も軍服を着た女性兵士は当時もいましたが実戦投入されることはなく女性は後方任務ばかりでした。
旧日本帝国軍に至っては軍籍に女性を就かせることはなったですね(銃後の守りに専念)
そんななかでソ連だけは女性兵士を戦線に投入するのですがこれが戦後、彼女たちへの偏見へとつながり社会主義体制下でも辛い戦後を送ることに、このことは別の書籍が詳しいようです。



戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)



  • 出版社/メーカー: 岩波書店

  • 発売日: 2020/02/27

  • メディア: Kindle版






▲本作の内容とは少し離れるので興味のある方はこちらもどうぞ

著者も本作品を書くきっかけにもなったと語っている書籍です。
(この本の作者はノーベル文学賞を受賞した人です)
私は県立図書館に予約を入れるつもりです。




同志少女よ、敵を撃て



  • 作者: 逢坂 冬馬

  • 出版社/メーカー: 早川書房

  • 発売日: 2021/11/17

  • メディア: Kindle版







実はこの作品を読むのと同時にもう1冊500ページ越の戦国時代の小説を並行して読んでいました。
返却日の関係で時代や場所も全然違う戦争小説を同時並行で読むことになり1日合わせて200ページを読まないといけない日もあったので大変でした#59142;