本来なら今頃、製作中のケンメリGT-R(プラモ)の塗装の様子を記事にしているはずだったのですが生憎雨の日が続いている青森、湿度もほぼ100%ということでエアブラシでの塗装作業はできません#59142;(エアブラシ塗装に高湿度は大敵なんです)


今月末までは降ったりやんだりの天気のようですがタイミングをみて塗装作業はしたいところです。
前回悩んでいたボディ色の”白”も試してみたいカラーが見つかりました。
それにしても寒いです。
この記事をUPしている時間帯は外気温は18度ほどで家の中でも半袖短パンだとちょっと肌寒いのでパーカーを羽織って記事を書いています。
この予報通りだともう扇風機も使わずに済みそうですね
ニトリでリビング用の長方形コタツを買い替えました。(展示品現品処分特価)
配送は10月初旬にしてもらいましたがこの分だと年老いた母親はいきなりこたつ布団をセットして使い出しそうです。
さて今回は夏になる前に読んだ本のご紹介です。

#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;#59128;

 
時武ぼたん 著『就職先は海上自衛隊』(潮書房光人文庫)
女性士官候補生誕生

自衛隊には防衛大学校という文字通りエリート幹部の養成校があるのはよく知られていますが文字通りの超難関校です。
毎年卒業シーズンになると防大卒の学生が何人任官拒否(民間就職)したかなんてニュースが流れますね
現在の自衛隊幹部の経歴を眺めると圧倒的に防衛大学校第〇〇期卒と記載のありケースが圧倒的に多く防大卒というのが間違いなく幹部への道の第一歩だということが分かります。

しかし、防大ルート以外にも幹部候補になれるコースがあります。
一般の4年制大学を卒業して試験・面接を経て防大卒の学生(一般幹部候補生課程Ⅰ課程)と一緒に自衛隊の幹部候補生学校に入校するという道です。【
一般幹部候補生課程Ⅱ課程】

自衛隊で「幹部」というのは3尉(少尉)以上のことで幹部候補生学校に入学して1年間研鑽を積み卒業と同時にいきなり尉官である3等海尉として任官することになります。


海上自衛隊の場合この幹部候補生学校は”戦中の海軍兵学校”で有名な江田島に現在もあります。


この本の著者は一般4年制大学(明治大)しかも文系(専攻は日本の古典文学)から海自の幹部候補生学校の士難関試験を突破・・しかし体力には自信がなく(虚弱体質)でしかもカナヅチ#59143;
就職活動のなかで海上自衛隊のあの白い制服に憧れて入隊といった面接では正直に答えられないようなちょっとあぶなかっしいミーハーな志望動機を持った人物。
多少のミリオタ程度の知識もなく自衛隊内での時間の読み方(午後6時1800:ひとはちまるまる)すらも知らずにやって来てしまって本当に大丈夫?やっていけるの?とかなり不安になりながら読み始めました。

泳げないのに海上自衛官に?
同じくカナヅチの自分としては本書の内容で一番気になる点がこの”泳げない”という最大の難関をどう女性である著者が克服したのか(するのか)?でした。
もちろん海上自衛隊の幹部候補生学校では”全くのカナヅチ”のままでは卒業できません。
というのも江田島の幹部候補生学校には”15kmの遠泳訓練”というと海軍兵学校時代から100年続いている名物の伝統行事があります。
(肉体的にきついのは実は陸上での戦闘訓練なのだそうですが)

乗艦した船が沈没して海に飛び込んだ時に一番近い陸地まで泳ぎ切る泳力をつけるのが目的でなぜ約8マイル(約15km)なのかは確か本書の中に書いてあったような気もしますが図書館で借りてきた本だったので今では詳細を確認できません。

遠泳訓練は学校前の海から沖にある折り返しポイントを目指して隊列を組んで泳ぎます。
早さを競う訓練ではありません。
泳力の有るものがようやく泳げるようになった者を支えながら泳ぎ切るのです。
途中では海に浮かびながら休息や食事(伴走船につかまりながら)をとって8時間の行程だそうです。

実際に入校時には全く”泳げない”という学生もいるそうですがプールでの練習や泳ぎが達者な同期が教えてくれたりしてある程度は泳げるようになるようです。
あとはそれこそ根性で泳ぎ切るのみ
この本の中でも頻繁に出てくる短艇(カッター)訓練(これは早さを競う)とこの遠泳訓練は最大の読み物です。
著者もこの遠泳訓練を無事に泳ぎ切りました。
(泳げなけらば卒業できないのでネタバレにはならないと思います)

江田島での学生生活はそれこそ自衛隊員として毎月給料をもらっているとはいえ厳しく管理された生活の中で日々訓練と試験の毎日が続きます。
指導教官役の”赤鬼”や”青鬼”も登場して一般的な生活の中では理不尽と思えるような”しごき”にも耐えながら卒業へと向かう姿は往年のTVドラマ”スチワーデス物語”の1000倍くらい厳しそう#59142;
著者は卒業後は
女性海上自衛官”WAVE”として初めて世界一周の遠洋練習航海に参加することになりますが本書で語られているのは江田島での学生生活までで恐らく続編も刊行されるような雰囲気です。
退官後はこのように著者が自衛官になる前の夢であった小説家となられています。
なんかそう考えるととてつもなく凄い人だなぁ~
文体も読みやすいのでどなたにでもお勧めできます。
江田島での生活はYoutubeでもたくさん動画としてUPされているのでもしご興味があったらご視聴を・・さらに詳しく知りたいのであれば本書を一読されたし。




ウェーブ (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)



  • 作者: 時武 ぼたん

  • 出版社/メーカー: エイ出版社

  • 発売日: 2014/06/25

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)








就職先は海上自衛隊 女性「士官候補生」誕生



  • 作者: 時武ぼたん

  • 出版社/メーカー: 潮書房光人新社

  • 発売日: 2019/02/22

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)






自宅から海自の大湊基地が近いのでイベントや艦艇見学会などで海自の幹部の方々にお会いしたりお話したりする機会があるのですが皆さんこのように江田島での厳しい学生時代を過ごされた方々なんだなぁと思うと本当に頭が下がる思いです。
また現在、海自大湊基地には大湊地方総監部幕僚長として海自で女性初の幕僚長が就任されています。
現在海将補(少将)ということで海自の女性自衛官の最高位だそうです。
その方もまた4年制大学卒で幹部になられた方なので本作の著者と同じような経験を経たのだと思います。

海上自衛隊幹部候補生学校『五誓』





一 至誠に悖(もと)るなかりしか
〔誠実さや真心、人の道に背くところはなかったか〕

二 言行に恥づるなかりしか
〔発言や行動に、過ちや反省するところはなかったか〕

三 気力に欠くるなかりしか
〔物事を成し遂げようとする精神力は、十分であったか〕

四 努力に憾(うら)みなかりしか
〔目的を達成するために、惜しみなく努力したか〕

五 不精に亘(わた)るなかりしか
〔怠けたり、面倒くさがったりしたことはなかったか〕






自分には特に5か条目が耳に痛いですね#59124;